チタンと別れ単独で逃げていたドンは、厄介な相手と鉢合わせてしまっていた。
「いざ小屋を離れてみたら……また一難か」
破壊神の名を冠する男、シヴァ。
スピードの速い接近戦タイプの彼をまとも相手にするのは、ドンには荷が重かった。
「フラッシュを焚いて逃げ切れるかどうかといったところか……」
何とか間合いを離し、木陰からマシンガンをばら撒き牽制するが、
再び彼に間合いを取られるのは時間の問題だった。
その時、背後でガサリ、と物音がした。ドンがそちらを向くと、
はぐれたと思われるダストヒューマが一人、ぼうっと立っていた。
(……こいつを囮にするか……)
胸元の閃光手榴弾に手をかける。
「向こうに一人敵がいる……こいつを投げるからその隙を狙ってくれ」
「…………」
反応はない。ドンはゾンビにそこまでの知能はないのか、と判断し、
そのまま手榴弾の安全ピンを抜こうとした。そのときだった。
「……ま゛」
「!!」
突然、ゾンビの腕がドンの首もとめがけて勢いよく伸びた。
ドンはとっさに腕で受け止めるが、そのまま掴まれる。
「白組のエイリアンか……!」
完全な挟み撃ち。シヴァの足音が近づく。
(俺も終わりか……)
ハイッセムを振り払おうとするが、すでに羽交い絞めの状態だ。
ふと、足元を見ると、先ほど落とした閃光弾が転がっている。
安全ピンは外れかかっていた。
(…賭けてみるか)
ドンは足元の閃光弾をシヴァのほうに思い切り蹴飛ばし、耳と目を塞いだ。
強力な光と音があたりに広がる。音に怯んだハイッセムを突き飛ばし、
胸にマシンガンを打ち込む。
「ま゛み゛む゛め゛っ!?」
シヴァの視界が晴れたころには、すでにドンはそこにはいなかった。
「くっ、逃げられたか……索敵で追えるが……どうする…?」
『ハイッセムさん失格でーす。例によって回収班どうぞー』
擬人化準拠で。メダ準拠ならただマズルフラッシュ撃ってるだけ(
正直やりすぎた
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